中古住宅の流通を促進しようと、建築業界では様々な変化が起こってきています。
長期優良住宅、住宅履歴管理、ホームインスペクション、コンストラクションマネージメント、エコ住宅など、今までにやった事がないような事ばかり、建築業界は強いられています。
しかしながら、これらの事項のすべてを避けて通る事は出来ないでしょう。
なぜなら、ほとんどの事柄ができていて当然の事が多いからです。
家を建てたり修復したりしたら履歴を残しましょう、定期的にまたは、売却時には家の瑕疵調査をしましょう、工務店が事業を存続できるように生産管理をしっかりやりましょう。
これらは、消費者にとっては、そうする事が当たり前に聞こえる事ばかりです。
エコ住宅くらいでしょうか? 最近出て来て当たり前にまだなっていない事項は。
これもきっと当たり前になっていくでしょう。
家歴管理やインスペクション、コンストラクション・マネージメントなどを工務店以外の団体がバラバラに行おうとしているようですが、これらの事はそもそも工務店が行うべき事項です。
第3者機関を入れて、検査や調査をしないと心配な人だけ依頼すればよいだけで、そもそも工務店を信頼しているお客様ならその工務店がやってくれれば良い話です。
ただし、工務店にその仕組みがないのです。
仕組みを提供する側も、バラバラに仕組みを提供する団体があり、好き勝手なことを言っているわけです。
工務店の方は、以下の3点セットを自社で行える準備をするべきだと思います。
1.コンストラクション・マネージメント(生産管理)の仕組みまたは、システムをつくる
2.住宅履歴管理を自社で更新する
3.インスペクション項目の決定と定期診断
これらを仕組みとして運用出来なければ、持続可能な事業と戦略的な利益は得られないと思います。
履歴管理とインスペクションは、さほど難しい事ではなく、やればいいだけなのですが、難しいのはコンストラクションマネージメントです。
生産管理はそもそも一定基準の商品がなければ、管理する事ができません。
常に創作のものを管理する事はできませんから、自社仕様の建物を作る事が必要になります。
営業資料、設計、仕様、材料仕入、施工方法、現場管理、工程管理、など決めなければなりません。
これらがしっかり決まり、その通りに建物が出来上がるかを管理できてコンストラクションマネージメントです。
家歴管理システムやインスペクション協会などいろいろと出てきていますが、いちばん難しい生産管理もセットで行わないと、そもそも仕様など無い建物の履歴を取り、そもそもどんな修復歴かもかいまいな家のインスペクションを行うような事が起こってしまいます。
中古住宅流通の活性化をするつもりのはずが、みんなで重箱の隅をつつき合って、誰も信用できなくなった消費者が増えるだけになりかねない。
制度と教育はセットで行わないと意味がない。
工務店3点セットは、工務店が建てた家を工務店がしっかりとサポートし、継続的な利益を得るために、必要なことだと思います。