福井コンピューター様主催の長期優良住宅セミナーへ参加してきました。
建築業界が物造り産業から住生活産業へ大きくシフトしていることがうかがえます。
『安心な家を造る』と言うコンセプトに加え『家を守る』と言うコンセプトが追加されていき、その為には住生活に関する情報の質が大切と言うお話でした。
私も全くその通りだと感じます。
考えてみれば当然の話を今まで行ってこなかったという現実です。
以前私のお客様で、年間百数十棟の新築戸建を建築されているクライアントがいらっしゃいました。
残念ながら廃業してしまいました。
そして再建を図るにも、今まで数千棟を建てた実績があるにも関わらず、設計図書や住宅仕様を随時廃棄してしまっていました。
ですから、今までのお客様にリフォームなどの追加営業を行いたくても一からやり直し・・・。と言う事態でした。
家とは一度立てれば、何十年と住み続ける代物です。
それを建てた事業主が、建て終わった後は何もわからないでは大変な問題であると言う事が、今更ながらに問われているのですが、今だにそういった住宅履歴を残す事をしていない建築事業主は多いことと思います。
また、残してあったとしても、それがすぐに取り出せる状態でなければ、半分紛失しているような状態で保管されていては意味がありません。
住宅履歴書とは何を残せばよいのか? どのように残せばよいのか?
これらの構築は今後大きな差別化となって表れてきます。
国土交通省が定めた長期優良住宅の定義や住宅履歴書のマニュアル以外に、自社としてサービスを確立すれば、大きなチャンスになってくるのだと感じます。
当社では、Wordpressを利用した住宅履歴書管理システムを作っています。
まだまだ至らない部分が多いですが、設計図書や仕様の他にも造り手の心を伝える手段とか、街並みとか、地域活性とか、分譲区画協定とか、生活にまつわる様々な情報を履歴として残していけるような、そんな住宅履歴書に価値があるのではないかと思っています。
長期的に優良な住宅とは、ハードウェアの部分だけではないと思います。