快適は人によって異なる。例えば温度差だけでも10度の違いがあるという研究結果があるという。
快適と感じる温度は人によって一季節分ほどの温度差があるという。
ゆえに、快適という表現が住宅産業では多用されるが、これほど個人差がある快適という表現そのものに意味をなさないのではないか。
実際に住み始めた人の住宅への評価は快適という評価よりも健康への評価の方が満足度の指標となっているという。
部屋間温度差がなくなることによって、夜中のトイレが苦痛ではなくなった。風邪をひきにくくなった。など。
医者が健康のケアを行っている日本において、国や生活者が負担する医療費は膨大。
あらゆる特効薬は死亡率が下がってから普及している現実。
健康的な住居を造ることで医療費の削減になり、長い目で見た結果、住宅は家計に貢献し、健康的に暮らし働くという日々も送れる。
健康には、住居の断熱性能、特に寒くないということは非常に重要。
ゆえに気密性の高い住宅が求められ、気密性を向上させると価格に転嫁されるが、その分は医療費を考えれば十分ペイできる。
気密性というとなんだか苦しい感じがするから、『すきま風ふさぎ』 くらいの表現にすれば、なんだか隙間風がなくなってよさそうな感じに思える。
また、健康的な生活を送るために細菌感染を予防することが求められ、住宅が貢献できることもある。細菌感染は手洗い、うがいでかなり予防できる。
玄関横に手洗いを設置するだけで感染予防に効果がある。
また、欧米ではよく見かける寝室横にシャワーブースを設けることでも感染症に役立つ。介護時にも重宝する。
スマートハウスは機械化による住宅機能の向上。電気を造るという発想もあるが、基本的に電気を使って利便性を向上させるモデル。また、それら機械は永遠に動作するわけではなく、メンテナンスコストがかかるため、利便性を維持するのに大変。
パッシブハウスは、建物の断熱性能を高めて、基本的にエネルギーを使わないで済む住宅をつくるというモデル。エネルギーを使わないというある意味我慢ともいえる環境の性能を向上させ、我慢と思わせなくすることが重要。そして健康へ配慮した住宅であることが重要。
住宅にはまだまだ求められるニーズや潜在しているニーズがある。
人それぞれ異なる理想の暮らしを創り上げていくために、差別化要因はまだまだありそうだ。