『あらゆる可能性を否定しない』
先日、東国原知事が退任会見で言っていた言葉が印象的であった。
宮崎県民にとっては、もっと宮崎の為に働いてもらいたい。そういった思いが強かったであろう。
そうはいっても、彼は宮崎の為に今後も活躍してくれるのだと思います。
例えば、都知事になったとしても、国会議員になったとしても、宮崎が東京に出来る事、宮崎が国に出来る事、こういった目線で考えるのではないかと思います。
私が共感したのは、『あらゆる可能性を否定しない』という言葉。
ビジネスシーンにおいてもとても重要な考え方のような気がして聞いていました。
固定概念に縛れることなく選択肢を否定することなく、最善を尽くすというのは、今の時代求められる考え方だと思います。
例えば、不動産の仲介手数料無料などのサービスをウリにしている業者様も増えてきましたが、私は賛成するビジネスではありませんが、しかし否定もしません。
今までの常識であった仲介手数料の考え方は無料へ向かい、新たな価値に対してコストが発生する時代も可能性として否定できません。
インターネットでこれだけ物件情報が氾濫している中、レインズ物件にしろ一般公開物件にしろ、物件情報の囲い込みだけで、アドバンテージを得ようとするのは無理があるし、囲い込んだところで成約しなければ売主に愛想を尽かされる。
大手の囲い込みも莫大な広告費を使ってかき集めた物件をどうぞ好きに仲介してくださいなんて、お人よしなことをするわけがなく、またそもそも地場で流通しやすい不動産商品が地場の会社ではなく、大手に持ち込まれるのも地場業者の怠慢は否めない。
地元にしっかり根付いていれば、そもそも大手ではなく地場業者に相談されるべきで、いまいちその辺のケアができていないことを反省したほうがよいだろう。
レインズも少し前まで一般公開化などと騒がれていたが、元付け業者の広告掲載承諾書なしにメディアに掲載することへの禁止を強めている。
不確定な物件情報を不特定多数の消費者に公開することはできないから、必ず物件確認を行った後にお客様に情報提供すること。しかも対面営業時限定で。
こんなことやってたら非効率の嵐である。
いまだにFAXが情報流通手段の柱である不動産業で、販売図面の送信、広告掲載承諾書の授受などを行っていたら通信コストもばかにならない。レインズに掲載することでこんな面倒な事が増えるくらいだったら、掲載しないほうがましだ。となってしまう。
既存の流通システムの運用が破たんしているにも関わらず、規制を強化し、より使いずらいものにし、今までと同じように変化を拒み、運用するように徹底したところで何も生まれない。
今は一昔前の経済活動が通用しない時代になってきている。
今現在、いいだのわるいだの言っていることは未来は当たり前になっているかもしれません。
その時に、今否定している人は、未来においても否定し続けられますか。
小さな既得権益に縛られるのではなく、あらゆる可能性を否定することなく、大胆に変わっていかなければならない時代だと思うのです。
不動産業は情報流通ビジネス。
大胆にどう変わっていけるか。ここまでだれしもが利用可能になったインターネット社会の変化にどう対応していくか。
私は楽しみです。